今年見つけた漫画たち①
2020年も終わりに近づいてきました。 今年はイラストや漫画のお仕事をはじめて 家にいる時間が増えたこと、 家にいるおかげで「山田玲司のヤングサンデー」っていう ニコニコ配信に出会えたこと (れいとしょうっていう漫画批評コーナーがやばい、おもしろすぎ)、 そして今まで手を出さなかった オークション系のアプリを使いだして すごく手軽に60~90年代の 貴重な漫画を買えるようになったおかげで アウトプット・インプット両方に 良い影響がではじめた1年でした! そんな2020年に私が読んだ漫画を振り返ってゆきたいと思います。 ●2020年を締めくくるにふさわしいSFストーリー! 1969年から時を超えて「今」を風刺する 八代まさこ「まりこの涙」(1969年 COM7月号掲載) 朝日ソノラマ「ノアとシャボン玉」に収録されてる20PのSF短編です。 舞台はレンタル品とセット販売が主流になった社会。 家、家具、ペット、顔や体もすべて自分の望む形のものを レンタルして、とっかえひっかえ楽しむのが主流になっている世の中です。 主人公まり子は大好きな彼とじぶんの誕生日を祝うため 貸家具、貸かつら、貸衣裳、貸顔屋、貸ハート屋をまわって 最高のじぶんを作り上げます。 お店を訪れるたび交わされる皮肉なセリフがこちら。 しかし、借り物だらけのまり子はふとしたきっかけから 「自分はからっぽで、何もない人間なのではないか」という 大きな不安と恐怖がおそい、涙をこぼします。 するとまり子はふっと笑顔に戻り 「涙が…ひとつあった」とつぶやきます。 生身の体からこぼれた涙だけが本物… てのひらの涙みつめてお話は終わります( ;∀;)ええはなしやぁ この作品発表されたのが69年なんですが、 レンタル品とセット販売があふれる世界って 今の時代とかなり重なる部分がないですかね。 現代的なテーマを先取りしている、隠れた傑作でした! つづいてはこちら! ●田舎のひとこまをコミカルに描きとめた 文月今日子「銀杏物語」(1975年別冊少女フレンド11月号~76年1月号) 絵がかわいすぎる!! この方たぶん大島弓子のアシスタントもやってて 大島作品で表情豊かなモブたくさん描いてるんですが やっぱりご本人の作品だとそのモブ力が発揮されます。 大きな銀杏の木がシンボルツリーのど田舎を舞台に 小学生たちがわちゃわちゃする話な...